Epic Games Store無料配布されていた『INSIDE』をクリアした。この横スクロールパズルゲームは『LIMBO』と同じ会社が制作したもので、雰囲気やアートスタイル、ゲームプレイは『LIMBO』と共通するものを強く感じた。なお、『LIMBO』の感想も過去に書いたのでよかったら見てほしい。

さて、この『INSIDE』だが前述したように『LIMBO』にそっくりだ。良くも悪くも。というのも、『LIMBO』の時もそうであったがストーリーが全く説明されない。家畜の死体が転がっているようなダークな世界に突然放り出されるところから始まるのだが、主人公である赤い服の少年?はなぜか謎の大人たちに追われている。何故かはわからない。とにかく追われていて、彼ら見つかると結構エグく殺されるのでとにかく逃げる。この逃走劇がパズルを通して描かれるのが本作のストーリーだ。

ただセリフなどは一切無いので、彼らは誰で主人公はどこへ逃げているのか、などは自分で補完するしかない。補完の手助けとなるのが画面の背景に描かれている場所や物などの環境なのだが、SFっぽい荒廃した感じや、このゲームの世界では倫理感が著しく欠如している様子がバシバシ伝わってくるアートスタイルで、プレイヤーの想像をガンガンに掻き立てる。その点ファンタジー要素の強かった『LIMBO』よりもだいぶとっつきやすいので、クリア後のスッキリしたカタルシスは『INSIDE』のほうが高い。(しっかりと存在しない)ストーリーを楽しめるかは、とどのつまり、自分の中で『INSIDE』の世界観が構築できるかどうかが鍵を握っているようだ。

パズルの難易度は、最初こそ考えさせるものの、少し頭を捻れば誰でも解けるようにできている。その絶妙な調整は『LIMBO』の時もそうであったが、素晴らしいの一言。試行錯誤すればなんとか突破できるはずなので、もしパズルに詰まっても調べずに、ぜひ自分でクリアを目指してほしい。理不尽な解き方を強制するものは一つもなかった。根気よく頑張って解けば、まるで自分が天才になったかのような気分を味わえる。よく出来たパズルとはそういうものなのだ。

まとめ

『LIMBO』に好きなところが一つでもあるなら『LIMBO』エッセンス満載の『INSIDE』も間違いなく気に入るだろう。数時間でクリアできるので気軽に試してほしい。といっても絶妙な難易度のパズルを解いていく快感で、きっとクリアまでやめられないはずだ。そしてクリア後には間接的に語られた(考えさせられた)ストーリーテリングに驚きと感動がまっている。