パリにあるノートルダム寺院が今年(2019)焼け落ちた事は記憶に新しい。この痛ましい事件に際してUBIが支援と感謝の意を込めて一週間『アサシン クリード ユニティ』を無料配布していた。正直言ってノートルダム寺院に興味もなければフランスに行ったことすらない身だが、貰うものは夏も小袖ということで私も有難く頂いた。ようやく?クリアしたので一言感想を残しておく。なお、UBIの無料配布の経緯については以下の公式ブログ記事を参照していただきたい。

さて、感想の前に、長く続いているシリーズなので私の”アサクリ遍歴”を紹介しておこう。特別ファンというわけではないのだが、『Assassin’s Creed』『Assassin’s Creed 2』『Assassin’s Creed 3』『Assassin’s Creed 4』をクリアしている。我ながら、”よくこれらを最後までやったものだ”と思う。いや、”3″と”4″に関しては同じくUBIが無料配布していたものなので、こんな事を言うと失礼なのだが。

では、本題のストーリークリアした後の感想だが、一言で言えば「今までのアサシンクリード」だった。糞みたいな現代編がちょろっと顔出すのも一緒だし、何の脈絡も無しに街中に宝箱が置いてあるのも一緒。アサシンなのにフィジカルパワーで敵をなぎ倒して回るのも、水増ししすぎて何の味もしないサブクエストも全く代わり映えしない。そう、良いように言えばシリーズの正当進化とも言えるが、アサクリとは作業ゲーなのだと再確認させてくれる、そんなゲームだった。いや、前作までの売りの一つだった戦艦戦がなくなったので正当進化は言い過ぎか。

公平性のために言っておくと、このゲームがシリーズを通して受け継いだのは悪い面ばかりではない。グラフィックやパリの”雰囲気感”、”空気感”はよくできている。町中のモブキャラが時々起こす不可解なモーションは気になったが、全く知らないのに中世パリっぽさを感じさせるのは、やはり徹底的で綿密な調査と膨大な人的、技術的リソースの賜物だろう。ワールドワイドに展開している会社とはいえ、フランスに本社を構えるUBIのプライドのようなものを伺わせる。

そうそう、新規要素で気に入ったものもある。今回のストーリーミッションにはごく少数ながら「ユニークキル」なるものが導入されているものがあり、マンネリ攻略に新鮮味を与えることに成功している。この「ユニークキル」とはミッション固有の暗殺を助けるイベントのことなのだが、状況や環境をうまく利用して暗殺を行うのはとてもアサシンっぽくて、しかもスタイリッシュにすら感じる。例えて言うならばHITMANシリーズの47のようなね。ん、まてよ。環境や状況を利用した華麗な暗殺がしたいなら、そもそもHITMANシリーズをやれば良いのでは?

そうなのである。暗殺そのものをゲームプレイするのであればHITMANのほうが断然面白いし、私が求めているカッコイイ暗殺者像も描けている。「ユニークキル」のようなシステムもバリエーションが遥かに豊富である。皮肉なことにユニティで新しく導入された「ユニークキル」システムはHITMANの劣化コピーでしかなかったのだ。

最後に

冒頭に書いたように無料配布されていたので、シリーズに興味がない人でも”とりあえず貰った”という人も多いだろう。そのような、やるかどうか迷っている人に向けて一言だけアドバイスを残しておく。

少しストーリーをプレイしてパリの雰囲気を楽しんだらHITMANやれ