今年の節分には太巻き寿司を食べた。いわゆる恵方巻きというやつだ。
太巻きって特別上手くも不味くもない食べ物だけど、まあ、記念日だからね。
しきたり
恵方巻きって決まりごとがあって、恵方を向いて太巻き一本を黙って食べなくちゃいけないというルールがある。めんどくせぇ決まりだし、意味分かんないけど、ルールはルールなので南南東だかを向いて黙々と食べることにした。
ただ、食ってる間つまらないので、録画しておいた朝ドラの『あさが来た』を横目でチェックしながらの食事となった。方角的に首がいてぇ、この時点で恵みのある方向とも思えねぇよ、なんて思いながら。
ラブ注入
無言でモグモグしてたら、あさが来たに藍之助が登場。この藍之助というキャラを誰が演じているのか知らないが、幼い印象かつ中性的な顔立ちだ。イケメンであることに違いないのだが、何かが引っかかる。誰かに似ているのだ。
太巻きに齧りつきながら、その「誰か」を考えてたら、ふっと「楽しんご」だと分かった。その瞬間、つい「あ、楽しんごに似てんるんだ。」と呟いてしまった。そう、恵方巻きのルールの1つ「黙って食べる」を破ってしまったのだ。
バカバカしい
脳にドドスコスコスコされてしまったが故に、恵方巻きの禁を破ってしまうという失態を演じてしまった。そして一度タガが外れると、途端に恵方巻きシステムが馬鹿馬鹿しく思えてきた。何が恵方だ、知ったことあるか。もう俺は自由に食うぞ。
普通にテレビの方の方向に座り直して残りの恵方巻きを食うことにした。いや、もはやこれは恵方巻きではない、ただの太巻きだ。節分は台無しになってしまったが飯は好きに食うに限る。孤独のグルメでも言ってたじゃないか。食事は誰にも邪魔されず、自由で救われてなきゃ駄目なんだと。