「STAY HOT いいぞ、もっとやれ。」というスローガンが表示されるCMを見たことがあるだろうか。あのCMはカップヌードルを宣伝するために日清食品が流しているものだが、いかにも風変わりなものが多い。良く言えば「個性的」だが、僕には奇をてらっているだけにしか見えないし、ダサい。

logo” – クリエイティブ・コモンズ: CC0

風変わりなCMはカップヌードルに限ったことではなくて、日清食品の様々な商品CMで見られる。なんであの系統のCMを作り続けるんだろう。CMとして効果が高いのかな?

インパクトがあればいいの?

例えばカレーメシのCMも風変わりな系統にある。CMの目的が商品を覚えてもらう事なら、その目的は成功しているんじゃないだろうか。インパクトがあるから目を引くし、「なんなんだ、これは」と興味を持たせる。でも、このCMが「面白い」とか「かっこいい」なんて肯定的には思わない。むしろ狙いすぎで「滑ってる」とすら思えてくる。だからダサく感じるんだろう。これで商品のアピールができるんだろうか?

尖っていることをアピールするダサさ

何か変わったことをすることで個性を発揮することはよくある。例えば誰も知らないようなアーティストや人気のないジャンルの音楽を好んで聞いたりすることは1つのアイデンティティになりうる。自分の中に審美眼があって、世間で話題に成っているアイドルや流行になっているポップスに安易に流されない人はカッコイイと思う。でも好みが変わってる事やマイナー志向を殊更に主張したりアピールするヤツほどダサいものはない。「テレビ見ない自慢」している人などその最たる物。別にテレビが好きでも嫌いでも構わないけど、自分の価値観や判断基準でテレビを見ない人はわざわざそのことを言ってこないはずだ。大衆的なものを否定して自分を高貴なもの、価値あるものかのように装うやつなんて碌なもんじゃない。それって物の価値がわかってる「ふり」をしてるだけじゃん。

秀逸なCM

別に杓子定規なCMを放送しろ、と言ってるわけじゃない。優れたCMってインパクトもあるけど、なにより「イカしてる感じ」もするじゃん。単なる商品の紹介ではなくて、作品として興味深い面白さがあるわけ。

そこへ来ると日清のCMに面白さはない。「私達、変なCMでしょ?こんな変わってる事して凄いでしょ?」というのが全面に伝わってきて興ざめする。面白い事やってる作品は、視聴者に面白いことをやっているのを「感じさせる」のであって、面白いことを直接アピールするわけではない。「俺たちセンスあるよね!」って言ってるやつにセンスあるやつはいない。クールジャパンを進めている人達にクールな人がいないように。