2016/01/11は成人の日であった。形骸化しているようなので、すでに何をする日なのかわからない。実質的には成人式はお祭り騒ぎというか、お祝いは建前で、外見を飾り立てた大規模な同窓会という感じすらする。感慨深いのは新成人の親、祖父母ぐらいなもんだろう。世の中そんなもんだ。

© Dick Thomas Johnson – “Coming of Age Day Ceremony” – Creative Commons: Attribution

当たり前だが、成人の日は毎年やってくる。去年も一昨年も成人の日が来たし、来年も多分来る。成人式はほぼ代わり映えしない。テレビでニュースになるけど、市町村の首長のスピーチなんて面白いわけ無い。成人の日で最も面白いニュースは、泥酔した新成人のヤンキーが傍若無人に暴れまわる様だ。

ショーとしての成人式

そもそも、成人の日は新成人とその親たちのための日であって、僕のように既に成人した人間にとって特別な日ではない。だから成人の日に興味が持てないのは当たり前なのだ。成人式の映像をニュースで流されても「ふーん」で終わる。

でもヤンキーが暴れまわるのは違う。張り詰めた、厳かな雰囲気の一角で、奇抜な格好をしたヤンキーがここぞと騒いでいる様子はすげぇ面白い。滅茶苦茶面白い。こっちは関係ない外野だから、「いいぞ、もっとやれ」なんて思ったりする。ああ、僕ってゲスいなぁ。でもさ、ほら、僕は無関係だからね。

ところで、ヤンキーが騒いでいるのはユーチューバーが注目を浴びようと奇行に走る感じに似ている。なんだか動物園みたいでワクワクするね。自分はオリの外にいるから安全に馬鹿げた様子を楽しめるんだよ。今年だって、受付のオッサンにヤンキーが焼酎を吹きかけるという事件があったらしい。意味が分からなすぎて爆笑だよ。てめぇはザ・グレート・カブキか!

こんなことを書いていると、「神聖な成人式をなんだと思っているんだ!」と批判を受けそうだけど、テレビや新聞は毎年のように暴れるヤンキーのニュースをのせるし、ニコ生やユーチューバーの奇行配信は人気コンテンツだ。ニーズは高い。世の中、目立たないだけでゲスだらけなんだ。さて、来年の成人の日が楽しみになってきた。